クラシックな名作を見て映画の面白さをもう一度感じられた。
よくこの脚本を映画として成立させられたなぁと惚れ惚れする。
スタッフの技術、役者の芝居が良くないと成立しない。
気持ちの変化に応じて変わっていく立ち位置やアングル、十二人も向かい合って話し合うのに混乱しないイマジナリーラインの引き方など、終始無駄のない演出が冴えていた。
終盤以外ほとんどロングとミドルショットくらいだったので、ラストのアップの連発がかなり効いていた。
実写じゃないと難しい演出が多く、見応えがあった。
演出や芝居もそうだが、会話劇としても興味深く見れるのがそもそも作品のとしての強度を高めている。
単純に有罪無罪だけでなく、12人の男たちのバックボーンに触れながら民主主義とは、移民問題、スラム問題、親子の確執など、様々な普遍的な問題をテンポよく自然に絡ませながら語られているから会話に引き込まれた。
どこかに自分を投影できる人がいそうなのがまた引き込まれる要因の一つだろう。
70年近く前の映画なのに面白さが色褪せないレベルの高さに逆に怖くなった。