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ある脅迫のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

ある脅迫(1960年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

社会派推理っぽくみせかけといてダークヒーローズフィルムノワールってのが新鮮。それもイケメンとはいいかねる個性派御大二人が火花をちらす。かといって米画のそれのような男対男力対力なワイルドさではなく策略をつみかさねての頭脳戦。仏画のようなスタイリッシュさはない。伊画のジャッロにちかいかも。東宝大映っぽい題材といえばいえる。だがそのように権力対権力の大作。知的近代的秀作にはいたらずチンケな情念のからみあい。なので醜男の屈折した愛憎オッサンズラブ感もあって不気味倒錯気味。フィルムノワールには舞台としてのアメリカでいうスモールタウンが重要。ということで直江津がツインピークスにみえてくる。死んだはずだったり伝聞だったり新聞記事としてだったり電話のむこうの見えない人物だったり次々と怪しい登場人物が霊のように立ち現れては気配だけ残して消える。まさにツインピークス。ラスト走る列車も疑惑の影っぽいし。人間より。どこまでもスモールタウンの不気味を描いた映画ある脅迫。
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