ShinMakita

ある脅迫のShinMakitaのレビュー・感想・評価

ある脅迫(1960年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.6
☆Filmarks基準スコア:3.8






新潟・直江津。

「新潟銀行」直江津支店次長・滝田が本店に栄転することになり、送別会が開かれる。大学を出て重役の娘と結婚し、かつ優秀となれば出世間違いなしの滝田だが、対して幼馴染で同期の中池は未だ庶務係。隅の机で背を丸めるだけのヒラ行員である。送別会でも座敷から離れてお燗番をしているようなポジションだった。
その夜、滝田の前に熊木というヤクザが現れる。熊木が愛人のためにやらかした「浮き貸し」の証拠を掴んだ熊木は、それをネタに300万を要求してきた。直江津支店で強盗でもやってカネを揃えろと迫る熊木に銃を渡され、3日後の引っ越しまでに強盗やるかやらざるか悩む滝田。しかし運良く、ノロマな中池が宿直の夜がやってきて、強盗が上手くできると踏んで……


「ある脅迫」


僅か70分弱の尺で魅せる逆転劇。プロットが素晴らしいだけじゃなく、金子信雄と西村晃の熾烈な演技合戦が堪能できます。デキる男らしい不遜と偽善の塊・金子と、卑屈と自己憐憫の塊・西村が、後半どのように変化するかが最大の見どころ。蔵原監督、世代的に俺は「南極物語」しか馴染みがなく、日活時代の作品には触れてこなかったので、新発見でした。
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