せっち

蛇にピアスのせっちのレビュー・感想・評価

蛇にピアス(2008年製作の映画)
3.6
当時19歳の吉高由里子の体当たりの演技が凄すぎる。グロエロ描写が第一に来るけど、その奥には人間の欲求や二面性、生きる目的や意味などが込められていた。日々ただ平凡に過ごすだけで生きる実感が持てない若者が、刺激を求めてピアスや刺青などわかりやすい痛みを求める。方法はともかく刺激を求めるという点では当時の自分にも当てはまるし非常によくわかる。

画竜点睛を引用し龍(アマ)と麒麟(シバ)が飛んで行かないよう目を彫らなかったルイが最後に彫ったのは、彼らから独立し、痛みを伴いつつもまた自分の人生を探し始めたということなのだろうか。アンダーグラウンドな世界で痛みと人生について考えさせられる作品だった。
せっち

せっち