アトミ

ゾンゲリアのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

ゾンゲリア(1981年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

87点

休暇を利用しポッターズ・ブラフという田舎町にやって来た写真家。海岸で鳥などを撮影していると、そこに女A(赤シャツ美女)が現れ、話の流れで被写体に。
惜しみなくヌードになる女A。盛り上がった2人は海岸でファッキン。かと思いきや、イキナリ男達に囲まれ、写真家は集団リンチ。
最後はガソリンをかけられ、女Bに火をつけられ、火炙りされるその姿を男達や女Aに逆に被写体にされる。


消防隊員?ハリー、保安官ダニエル(ダニー、ダン)らはクラッシュ事故を起こし、炎上する車の処理をしていた。運転手は焼死。
検死官兼、葬儀屋のドップスが霊柩車で現れる。
ダニエルらが死体を運転席から引き出そうとすると、、、死体がスクリーム!何と男はまだ生きていた!


翌朝。町のレストラン(というより喫茶店?)にやって来たダニエル。
昨夜の男の身元はまだ不明。意識は戻らない。
コーヒーを運んで来た店員のミッジ。
彼女は写真家に火をつけた「女B」だった。

夜。
酔っ払いの男がご機嫌に海辺で千鳥足。
と、沢山の男達が現れ酔っ払いを襲う。
そして女Aがその様を写真に撮る。
酔っ払いはボート置き場で殺されてしまった。


ダニエルはドップスの元に来ていた。
ドップスは遺体をアレコレ工夫し生前の姿にまで復元するという「こだわり」を持っている。そして葬儀を行う。
ある種の芸術(遺体は作品)だと胸を張るドップス。
ダニエルは事故男が事故より先に「焼かれていた可能性」をドップスに尋ねたが「それは根拠がない」ということだった。
そんな中、ボート置き場で死体発見とベティから連絡が入る。


現場検証。
ダニエルは事故男も含め、これは殺人だと結論付けする。
ダニエルは「よそ者」が町にやって来た可能性を調べる為、町のホテルへ。
オーナーのベンに尋ねると、昨日、2日宿泊するとやって来た男が荷物を置いたまま消えたという情報を得る。ダニエルは荷物を調べる。写真家の荷物だった。

ベンは思い出した。ダニエルの妻ジャネットが写真家を知ってると。
メイドのエドナ・ジョー曰く、ジャネットが写真家に会いに来てた。と。

ダニエルは自宅へ戻り、ジャネット(教師)に話を聞く。
写真家の名はジョージ・ルモイン。写真機材を売りに学校に来ていたと。
にしても顔を知ってる人が殺されかけたという事で震えるジャネットだった。

翌日。スタンドでダニエルは校長のハスケルに会う。
写真家の話を聞くと「学校にそんな男は来ていない」と言う。
唖然とするダニエル。ジャネットが嘘をついてる?


病院。
写真家の容態は安定して来た。
ダニエルが現れる。病室を離れ医師と話す。
そのスキに女Aが病室に現れ、注射器を目に刺し、殺害した。


道に迷った家族が町にやって来た。道を尋ねるためレストランへ。
そこには食事をするフレディと名乗るスタンド店員がいた。
彼は「殺されたはずの写真家」だった。

そして家族は町人達に襲われる。
車で必死に逃げる家族。その車がダニエルの乗るパトカーの目の前を猛スピードで走り去った際、気を取られたダニエルは歩行者を轢いてしまう。
フロントグリルで暴れているちぎれた腕。
轢かれた男は腕を取り、逃げてしまう。

自宅へ戻り、銃の弾を探すダニエル。
と、引き出しから「魔術とブードゥー教のまじない」の本と「ナイフ」を見つける。
ジャネットに問うと「授業用」だと。


翌日、ダニエルはアニーの店にジャネットに頼まれていたフィルム(生徒のもの)を現像に出す。写真は俺にしか渡すなと釘を刺す。

そして崖から海へ落ちた「家族の車」が引き上げられた。死体は無かった。

ダニエルはフロントグリルについていた肉片を検査に出す。そのやり取りを医師とTELする最中、慌てふためき現れたベン。
「死んだ写真家がスタンドで働いている!」と。

ダニエルは写真家の顔を知らないし、当然信じない。
ベンはジャネットに確認させろ!と血相を変え、大真面目に語る。


授業中のジャネット。
ゾンビの授業。それを廊下で見ているダニエル。
生徒の中には「死んだ家族の子供」がいた。

ダニエルはジャネットを連れ帰宅(を装いスタンドへ)。
校長の話など腑に落ちない点をジャネットに質問するが、サプライズでPTAが買ったらしい。知らなくて当然ではある。
スタンドへ到着。給油する「写真家」にジャネットは気づかない。

その頃、ヒッチハイカーの女性も町人に顔を潰され殺された。ヒッチハイカーはドップスの元へ。

そしてドップスにより、生前の美しい顔へと修復される。
修復を終え、部屋を後にするドップス。
そこに現れた謎の女。
女がヒッチハイカーに触れると、ヒッチハイカーは生き返える。


フロントグリルの肉片の検査結果が出た。
それは死後3~4ヶ月経つものだった。
そして医師はありえない発見もする。
が、町人達に襲われ、鼻から酸を注入され、写真を撮られながら殺されてしまう。

その頃、ヒッチハイカーの死体が盗まれたとドップスが保安官事務所に来ていた。
ダニエルは憤りを隠せない。
殺人事件に死体泥棒。この街はイカれてる!

現場(ドップス事務所)へ行こうとすると、制止するドップス。
葬儀屋が死体を無くしたなんて広めたくない(恥)。と。
勘違いかもと、もう一度調べに帰るとドップス。

ダニエルは頭を抱えた。
殺人事件3件とジャネットの嘘。
と、何故かジャネットの様子がおかしいことを知らないはずのドップスが知っていた。よく葬儀屋を訪ねてたようだ。
もちろんダニエルは知らない。
もしかして魔術とブードゥーはドップスが?
それは否定するドップス。
職業柄、死体が生き返るのは考えるだけでも不愉快だ。と。

と、そこに遅刻したベティからTEL。ドップスは帰って行く。
ベティは届いていたテレックス(FAX)ダニエルに伝える。

「ジョージ・ルモインの身元が判明。最新設備での検死を行うため、死体を転送されたし」

事務所の向かいにあるドップス葬儀屋へ。
と、ジミーは慌てて逃げて行く。そこには「葬儀屋用化粧品」が。
墓地に出たダニエルは墓掘りのサムにルイモンの墓を掘り起こさせる。
ドップスは死体安置所に隠れていてダニエルは見つけられない。
ルモインの棺桶には洋服に包まれた「心臓だけ」があった。

ダニエルはスタンドへ行き、「写真家」のポラロイド写真を撮り、急いで事務所へ。
ベティにプロビデンス警察本部記録係宛にFAXを頼む。

「ドップスの逮捕歴、前歴について至急調査を頼む」

そして「写真家」の写真をセントルイスへ送り、行方不明届けの確認を。
そしてダニエルはアーニーの店へフィルムを取りに行く(アーニーの手は崩れかけていた)。

店を出たダニエルは(殺されたはずの)医師と出会う。
ダニエルは医師に死体を生き返らせる方法を尋ねる。
そんな事が起こるはずがないと医師は言う。

と、ベティの呼ぶ声。FAXの返事。
「ドップスは69年10月10日失踪。主任病理学者としてプロビデンス市に勤務。死体に対しての禁止事項を破る。罪には問われなかったが医師会除名追放。」

ダニエルは自宅へ。
ジャネットを探すも留守。物置から映写機を出す。物置には殺害時に使用されていたカメラがあった。
ダニエルはフィルムを確認。

とある一軒家。中ではカップルがファック中。
撮影者は家の中に入る。
カップルの女が男を滅多刺し。
他の窓からは女Aが入って来る。町人らも集まる。
カップルの女はジャネットだった!
発狂するダニエル。
そしてカメラマンはドップスだった!


ブチ切れで葬儀屋へ。
ドップスに詰め寄るダニエル。

ジャネットは私の最初の子だ。と。
そして今までの殺人、そしてゾンビ化に関するフィルムを流し始める。
ゾンビは常にメンテナンスが必要(一週間持たない)だが、ジャネットは一ヶ月ほど生きれる。特別で傑作。
ダニエルにドップスは提案する。「助手をしろ」と。

そこにジャネットが現れる。ジャネットは「覚えたセリフ」を喋っているだけ。
そして顔の肉が剥がれ落ち始めてきた。
ダニエルはジャネットの腹に発砲。
しかし「覚えたセリフ」をしゃべり続ける。
近寄るジャネットに発狂して数発撃ち込むダニエル。

「私は死んでいる。私を埋めて」
と泣きながら部屋から出ていくジャネット。
後から肩を叩かれ、ダニエルは振り返りざまにドップスに発砲。ドップス倒れ込む。

ジャネットを追いかけるダニエル。
ジャネットは墓穴の中からダニエルに埋葬を求める。
ダニエルは土を被せ、ジャネットは自らを埋める。

苦しそうに起き上がるドップス。
お気に入りのレコード「ムーンライトセレナーデ」をかける。
そして自ら死化粧をし、「装置」を腹に刺し、死んでしまう。

ジャネットを埋め終わり、泣き崩れているダニエルの元に、肉が剥がれ落ちかけてきた町人達が集まり、ジャネットと最後の別れをし、ダニエルを慰める。
町人達に囲まれ、その場から逃げるダニエル。
葬儀事務所まで逃げてくると、生き返ったドップスが待っていた。
そしてドップスはフィルムの続きを観せる。

ジャネットがベッドで刺し殺した男。
それはダニエルだった。




というお話。
定番的ゾンビ映画でなく、ミステリー要素が強い。そこが面白い。
まぁ色々と雑な部分はあるとしても、面白い。引き込まれちゃう。
早い段階で謎は解けちゃうんだけど、それでもいい感じ。

哲学的ゾンビじゃん!て、なるほど深い。
のかどうかはあなた次第。
アトミ

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