有酸素

聖バンサンの有酸素のレビュー・感想・評価

聖バンサン(1947年製作の映画)
3.9
実在したヴァンサン・ド・ポール神父の伝記映画。
製作にあたって国民5万人からの寄付金が充てられたそう。

17世紀初頭、フランスの村に訪れた神父は貧困と病気と格差に直面し、
貧しい人々の救済に生涯を捧げる。
自分の生活や食事を差し置いても人々を救おうとする姿に富裕層の奥様たちが興味を示すものの、やはりわたしたちには荷が重すぎる、と投げ出してしまう。
貧しい者にお金や食べ物を与えることは誰にでもできるが
優しさを持つことは容易くない。
そう言い残すポール神父。
恵まれないものや心の貧しいものにこそ愛を教えてやらねばと。

献身的な神父の姿に胸を打たれる道徳的な作品。
石を投げられても唾を吐かれても
神に仕える者として正しくあろうと悩み続ける。

人は誰でも愛されるに値する。
手を差し伸べ、受け入れてくれるような懐の深い映画だった。