あさひ

海をみるのあさひのレビュー・感想・評価

海をみる(1996年製作の映画)
4.7
これもまたオゾンらしい傑作だった。
単身赴任中の夫を生後10ヶ月の娘と共に待つ妻の心理が、そこに現れる謎の訪問者によって徐々に顕になっていく様をサスペンス調に描き上げた作品。
露悪的な描写も多いが、カットバックなどの使い方は非常に巧みで、まさに短編時代のオゾンの集大成的な作品だと思う。

謎の訪問者の目的も動機も、涙の理由も何も明かされないが、別に人物の言動の全てに動機が必要だとは思わないし、そんなことを説明されたら、この映画は駄作だったと思う。
狂気を狂気のまま、観客に委ねてくる乱暴さも好き。
あさひ

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