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魂萌え!のkuuのレビュー・感想・評価

魂萌え!(2006年製作の映画)
3.6
『魂萌え!』
製作年 2006年。上映時間 125分。

『OUT』『グロテスク』とか桐野夏生の小説に嵌まってよく読んだ。
そんな女史の原作の同名小説を、阪本順治監督が映画化。
第2の人生を歩み出す世間知らずの敏子に風吹ジュン。共演に三田佳子、加藤治子、豊川悦司ら。

突然夫が他界し、途方に暮れている団塊世代の専業主婦・敏子は夫の携帯電話から、夫の愛人の存在を知る。
そこに子供たちの身勝手な行動も重なり、自らを取り巻く環境にうんざりした敏子は家出を決行する。第2の人生を歩み出す世間知らずの敏子に風吹ジュン。
共演に三田佳子、加藤治子、豊川悦司ら。

昨夜もまたまた、BS松竹東急
『よる8銀座シネマ』にて今作品を視聴。
今作品の原作を幾分か前に読んでましたし、実写版はもうエエかなぁと思てましたが、実際、観てみたら、風吹ジュンの演者がとても巧く嵌まっちました。
正直、内容も薄れていた頃合いでもあり新鮮に観れました。
予期せぬ作品故に見た後の余韻が棚ぼた気分。
ぼた餅のつぶ餡の後のマンデリン珈琲を飲んだ様な気分です。
(分かりにくい例えですが🙇‍♂️)
また、加藤治子、豊川悦司、今陽子、由紀さおりなど俳優陣もエエ味が出してましたよ。
百聞は一見に如かずで、ご覧ただければ、この、つぶ餡を食ったあとの珈琲の相性はわかるとは思います。
(しつらこくて🙇‍♂️コメダ珈琲店でも餡と珈琲を味わえるけど、映画は観なきゃ味わえなかなぁ。。。
何の話し書いてしたんやったか分からなくなりました。
あぁ『魂萌え!』でした😀。
今作品は、登場人物の微妙な感情の揺れをとらえた、ほんと繊細な演出でしたし、個人的には見事でした。
現代用語の萌え~ぇ😤、じゃなく、主人公の肉体は衰えるが、魂の芽が出る、若しくは芽ぐむ、いや、益々燃え盛るってさまを感じれました。
恐らくは、演者のアドリブ感はあまりなく(多少あったかも知れませんが)、演者たちに監督が細かく指図したであろう、創造性が感じました。
そやし面白い作品に仕上がったんやろなぁと思います。
温室育ち(失礼ながら)の主婦が相続争いでビジネスホテルに身を隠す場面は、心許なくてハラハラしました。
綾小路きみまろ(最近見かけんなぁ)や、サラリーマン川柳(こちらも最近はコロナ禍ネタばかりやけど)でよく平成に生きる初老のご婦人は強いと揶揄してるけど、内弁慶が実際のとこやと思う。
家の外に出れば、儚げで人情味あふれる姿になるのは、よくお話してるし分かる。
そんなか弱さを坂本監督の繊細な演出で良く描けてたし、今作品が個人的には成功しているんやろなと思える善き作品でした。
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