昼行灯

ワンダーウォールの昼行灯のレビュー・感想・評価

ワンダーウォール(1968年製作の映画)
3.6
ストーリー自体はつまらんくて寝たところある
ジェーン・バーキンの美貌とザ・フールの美術、ジョージハリソンのインド風音楽を楽しめたのでまあいいか。こんな家に住みたい

顕微鏡と壁穴を覗き見ることは、研究対象の微生物と同様にバーキンも見るオブジェとして扱われていることに等しい。だから彼女は何も喋らないし、寝所に忍び込まれても起きない。物語が進むうちに彼女はオブジェですらなく、博士の心的イメージとなり、彼の欲望を充足させるようになる。
この窃視の関係はもちろん映画と観客の関係にも結び付けられている。博士の知らないこと、女の知らないこと、誰も知らないことと題したシークエンスが物語後半で展開されるのだ。この構成はまあ面白かったが、その観客を全知の人間たらしめる知識が、物語のさらなる理解になんの貢献もしなかったところが残念だった。
昼行灯

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