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バルタザールどこへ行くのcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)
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(まさかのロバ映画、、)

「白夜」を観たときにも思ったのだけど、とにかく体温を感じさせない映画だなあ、、動物が出てくる映画って、大抵ああ可愛いなあってほんわか癒しの方向に気持ちがいくんだけど、この作品は例外。バルタザールをはじめとした、つながれた自由のない彼らに感じるものは苦しくなる程の閉塞感だけだった。
飼い主が変わってもつながれたまま、行き先が変われども、ひとを乗せ、荷物を運び、たたかれ、ひたすらぐるぐる歩かされる。諦めた目をしたバルタザール。誰といようと、どこにいようとすることは何も変わらない、大切にしてくれていたと思ってたマリーでさえも、最後には目もくれなかった。連れていかれた場所にひとり残されて、突然手に入った自由、でも少し手遅れだった。かなしいし救いもなにもないけれど、やっとやっと解放されたんだなって思えたラストだった。バルタザール、ゆっくりとお眠りよ。
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