フジタジュンコ

鬼畜のフジタジュンコのネタバレレビュー・内容・結末

鬼畜(1978年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

野村芳太郎祭りの一環で視聴。
野村監督、なんでこんなん撮っちゃったんや……天才なのか…いや天才だな……

いっけん、菊代や宗吉・お梅夫婦が「鬼畜」のように描かれるが(おそらく原作の松本清張はその意図でタイトル付けをしたのだと思われるが)、「鬼畜」とは何なのか、誰なのか、と考えさせられる。
ラストの利一の拒絶は、総吉への愛や気遣いではなく。脚本の井手雅人の言う通り「拒んでいた」のだと思う。許しなどせず、拒んでいてほしいとすら思う。

能登半島への旅や、利一が東上線でひとり遠出をするシーンは、「子供」と自然、大人の世界を見抜く「子供」の目、といった、「砂の器」を彷彿とさせる。いやー野村監督天才すぎるな。すごい作品。

どうでもいいけど岩下志麻の二の腕がほっそりしてて「これが女優…!」と感動してしまったので、二の腕も必見です。