シャークウィザード

デビルマンのシャークウィザードのネタバレレビュー・内容・結末

デビルマン(2004年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

本筋のストーリーは暗く、凄惨で救いが無い。ラストも主人公を含めて登場人物の大半が亡くなるが、生き残った2人が何としても生きていく事を決めるというもの。

ただ暗いストーリーの中に笑えるシーンや謎の描写がいっぱい、そんな映画でした。

高校生でありながら堂々と車を運転し、ケーキを炙る場面やVRゴーグルが出てきた所から早速笑ってしまった。
植木鋏を持って復讐に来た了の異常性、そして了と明の関係性が見えてくるエピソードは個人的に良かったかなと。
明がデビルマンになり初の戦闘、「あー俺デーモンになっちゃたよ」、「ハッピーバースデー!デビルマン」の流れは噂に聞いてた通りに凄かったです。
シレーヌとの戦いで明のピンチに了がやって来ますが、次のシーンで翌日に。あの後一体何があったの…?そしてシレーヌは今後出てこない。
ミドリガメや牛久(牛くん)を食べたジンメンも印象深い。明との戦いや取り込まれた牛久と見どころ多い。
明は人間とデビルマンの中間体の様な姿にもなるのですが、その姿の時は基本右肘を突き出していて記憶に残りました。
デーモンが増えてからの人間たちの暴徒化や、密告社会の描き方は嫌な感じが凄く伝わってきます。重苦しい社会の表現は上手いと思いました。でも田んぼを全力疾走したり、アポカリプスデブが出てきたりとシュールなシーンもしっかりあるのは流石です!
道路の真ん中にバイクを止めた明が邪魔だと怒られるシーンは作中で多分一番普通の会話。そして出てくる小林幸子の1シーンながらのインパクト。
デーモンの巣窟と化した飛鳥邸を襲撃するシーンは自分から撃たれに来るデーモン、了のガンアクション、「デーモン万歳!」と見てて凄く楽しい。
重箱弁当+毬栗、そして腕をまくって正体がバレてからの「あー」は天才的だと思った。
皆でおにぎりを食べたり、ミーコに口紅を塗ってあげるシーンは素直に良いなと思った。
暴徒化した群衆が牧村家を襲う場面は正直、かなり見ててきつかったです。後の明があーと叫ぶ場面が無ければ気持ちがやられました…。
ミーコがどこからか日本刀を拾って戦うシーンはセリフと合わせてグッと来つつ、銃を使わず接近して斬られるモブに笑ったり。

これらのシーンで幾度となく笑いましたが、戦闘時のCGは決して悪くないと思いましたし、デビルマンがキメるシーンで劇画調になるのはカッコよかったです!
デビルマンVSサタンはCGにかなり気合が入っていて個人的には満足です。
明がデビルマンになった事を受け入れて戦う事を決意する下りは好きです。「デーモンは泣かない」と言っていた了が最終決戦で涙を流す所がありますけど、サタンでありながらも明を思う人間の心もあったという事ではないでしょうか…?