トムはギターをかき鳴らし、バリーは詩(うた)を絶叫する。
二人は双子だ。そして、二人は常に寄り添っている。
いや、寄り添わざるを得ない。二人は結合体双生児なのだ。
胸のあたりが結合して生まれ、寄り添い抱き合った状態で生きている。
お話は、二人が音楽に出会わされ才能を開花し、スターダムにのし上がり、そして破滅へと向かうまでのドキュメンタリー作品・・・と思い込んでしまうほどのドキュメンタリータッチのフィクション。
ドキュメンタリータッチなので、手の込んだ激動的な事は起きないけれど、とにかく映像が妖艶で美しく、幻想的なPVを見ているかのよう。何より内向的なトムの静かな強さと、攻撃的なバリーの不器用さが映像によって伝わってくる。
二人を演じたのは、実の双子の兄弟であるハリー・トレッダウェイとルーク・トレッダウェイ。
ルークは「One Night One Love」でもミュージシャンを演じている。
二人が破滅へと向かう過程がワタシにはあんまり響いてこなかったけど、二人の怖いほどの美しい妖しさがただただ目に焼き付いている。
