ひろりこ

八月のクリスマスのひろりこのレビュー・感想・評価

八月のクリスマス(1998年製作の映画)
4.0
鑑賞記録&感想
【初視聴】
1999年6月、全国劇場公開作品。
☆カンヌ映画祭を涙でつつんだ切なく、そして限りなく優しい、ひとつの恋の物語。

〜あらすじ〜
🇰🇷ソウルの街中で小さな写真館を営む青年、ユ・ジョンウォン。ある日、彼の小さな写真館に、駐車違反取締員の若い女性キム・タリムが急ぎの現像を頼みに来店する。これをきっかけに二人は知り合い、素直で純粋なタリムは、次第にジョンウォンに惹かれ、ジョンウォンも彼女の好意に応えようとする。だが、二人が想いを重ねるには、ジョンウォンの命はあまりにも短かった…。

🙇‍♂️ネタバレを含みます🙇‍♂️
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展開は終始、淡々と進んでいきます。余計なもの(無駄な台詞や過剰な演出)がほぼないので、そこが逆にシンプルでとても新鮮でした。詩情的な作風なのも◎ですね。

不治の病により余命がそう長くはないと自分自身でも分かっているジョンウォンを演じたハン・ソッキュがとても良かった。
彼女には本当のことを告げず、彼女に会ったときに見せる偽りのない優しい笑顔がとても素敵だった。
でも見えないところでは彼なりに葛藤している姿も映し出される。だから余計に観ていてすごく切ないし辛い…

ジョンウォンにいよいよ「死」へのカウントダウンが始まり、喫茶店の中から窓ガラス越しにもう逢うことが叶わない彼女の姿を愛おしそうに手の指で窓ガラスをなぞるシーンは悲しさのあまり思わずグッときてしまった🥲

ラストシーン、ジョンウォンが書き残した手紙💌、彼女に対しての感謝の言葉が心に沁みました。

制服姿が可愛いタリム(シム・ウナ)は最初、ジョンウォンを軽い感じで「おじさん!」と呼んでいて生意気そうに見えたけど、実際の彼女は恥ずかしがりやの純粋な女の子でしたね🤍

好き嫌いが分かれる作品だと思うけれど、悲しさの中にも温かくて静かな余韻が残る良い作品だと思います。

観終わってからずっと疑問に思っているのですが、なぜ邦題が「八月のクリスマス」なのだろうか…(・・?)
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