Yuri

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポのYuriのレビュー・感想・評価

3.3
原作未読です。太宰投影作品の中でも本作の大谷は女性に愛されるダメンズ。女性の弱さや末恐ろしさを受け入れることのできる男性というのは、ダメンズでもモテるものです。でもまぁ、佐知の周りの男3人が見事にダメンズ揃いで(苦笑)、大谷より逃げちゃう岡田と最低な辻に腹が立ってしまいました。大谷は破天荒だけど、人の道を外れることとか生死を恐れていて、佐知は人の道を外れてもガチで悪いと思ってなくて開き直れる人なので、夫婦バランス的には大谷より佐知の方が圧倒的に上。女性の底の深い恐ろしさを垣間見た気がします(^^;) 髄所で追い詰められた佐知の顔が歪むのと、クライマックスでの泣きの松の演技が圧巻で、あらためて凄い女優さんだなと引き込まれました。昔の街並みや自殺しようとしてるけど、見上げると森と差し込む光が綺麗なのとか情緒ある描写が素敵で、映画観た~という満足感が得られる作品です。
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