ねこじた

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポのねこじたのレビュー・感想・評価

3.9
「どろ沼を一つ持っているね」愛する女に言葉で辱しめる彼の冷酷な面。
太宰の魅力は女性に絶望してるとこ。
浅野忠信が見事に演じ切ってる。

また、松たか子の陽性で品のある艶が、太宰文学のヒロインのイメージと合致し、原作ファンも満足できる作品になってると思う。
当時ではハイカラだったパーマと眼鏡の広末涼子もすごく良い。

本作、どの女も、どんな辛苦に涙を零さない。耐える潤んだ強い眼差し。
女ならではの、したたかな色気と母性が際立つ。
恋愛の大概は、気がついたら頭の中に居た、それだけのこと。しかし、男女の道は近く遠い。2015.7/14再鑑

キャストの豪華絢爛さに一瞬不安になったが、演技力と、セットの繊細さもあって、太宰文学の良さを崩すことなく再現されてたと思う。
松たか子の深くしっとりした魅力を堪能。 品の良さと母性と色気。
どんなに不幸に見舞われても、しみったれない育ちの良さに加え、さち役ならではの無邪気さ、可愛いらしい人だわ。
そしてもう1人、太宰が愛した広末涼子が演ずる女が出て来る。この作品では別名だったが、あれは紛れもなく山崎富栄。再現力に痺れた。2013.1/19
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