THE 重い映画とでも言っておきたい本作。
男子生徒AとBに娘を殺された女性教師、彼女の復讐劇がストーリーの中核だが、それでいながら単なる復讐劇というには憚られるほど様々なエッセンスがあり、この映画を高過ぎる次元へと導いている。
複雑な状況は数多あるが、
生徒2名の歪な家庭、そして生徒Aを標的とした苛烈なイジメ、また別のイジメられっ子の女子とイジメの延長をきっかけに恋人とも共犯者とも言えない関係を育むA。
などなど、枚挙にいとまがない。
これらの重過ぎるファクターが複雑に絡み合い、復讐劇は完遂される。なお、上記した重いファクターはほんの一端に過ぎない。
この映画は本当によく練られており、複雑なシチュエーションを効果的な演出を用いつつもわかりやすく落とし込んでいる。
そして、結末はゾッとするのに胸がすくという、奇妙な感想を鑑賞者にもたらすだろう。
かなり人を選ぶ映画だが、ハマる人はとことんハマる、そんな映画だ。
