わし

告白のわしのネタバレレビュー・内容・結末

告白(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とてもハードな作品。
教師である松たか子さんの娘が、自分の生徒A、Bによって殺されてしまう話から物語は始まる。
冷静に、かつ淡々と生徒を追い詰めていく先生の語り口調から、生徒A、Bにまつわる登場人物や自身の生い立ちなどからそれぞれの立場から見た回想がなされていき、段々と話の表裏が繋がっていく。

松たか子さんの次にクラスを受け持った岡田将生さんの過度に熱血で単純な性格はとてもハマり役だった。
この人はすごく面が良いのに何故かちょっとずれていて痛々しいかのような役がとても似合う。
この先生の気質を利用して、松たか子さんは少年Bをどんどん追い詰めていく。
思い込みと自分のしたことへの後悔、やるせなさって極限までいくとこんなに怖いものなのかと圧倒された。とにかく、気味が悪くて怖かった。

少年Aは大人を舐め腐った態度で、しばらく大人しくなったかなと思いきや全然懲りてないし、母親への想いを拗らせすぎて自分の素直な気持ちを認められないでいて、とても残念な人だった。
真っ直ぐに子どもに愛情を与えないと子どもは屈折してしまうことが多い。
彼も例に漏れず、その1人だったと思う。
自分は有能で素晴らしい人間であるという承認欲求も怖かった。

大切なものを奪った人への復讐劇。
少年法の下、何をしても良いという間違った考え方は、大切なものを初めて奪われてからその罪の大きさを知るというなんとも因果応報な結末で締めくくられた。
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