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トリコロール/赤の愛のがんびーののレビュー・感想・評価

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)
4.3
愛は人を変える。

キェシロフスキ監督によるトリコロール三部作の三作目。(トリコロール=メリハリのある三色で構成された配色をさす。フランス国旗の通称である。青・自由、白・平等、赤・博愛)

博愛。無条件の愛は連鎖を生む。愛されてこそ、誰かを愛したいと思う。トリコロールの締め括りとして素晴らしい内容だった。

最初は主人公の女性が博愛の象徴なのかと思っていたが、途中でそうでもない気がしてきた。物語の途中で出会う盗聴おじさんこそが博愛そのものなのかなって(感じ方は人それぞれなので)彼女も、その歪ながら存在する彼の無条件の愛に、生きることの素晴らしさを見出してくのではないかな。愛が生きることに繋がったんじゃないかなと思った。

赤色のセットが多くて可愛かった。雰囲気で赤に寄せるのではなく、赤色の物体を使うことで青の時とは変わった色の主張ができていた。白の時の赤のボルボも伏線なのかな。

ラストシーンは圧巻。

遠距離恋愛に悩むモデル兼女子大生、恋人との関係に悩む若き法大生、盗聴の趣味を持つ老いた元判事の人間模様を描く。

このトリコロールもっと賞を取るべきだったよね。

ぜひぜひぜひ
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