滝和也

GODZILLA ゴジラの滝和也のレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
3.0
マグロ食ってる奴
は駄目だな!

と本家に揶揄されて
しまった最初の
ハリウッド版ゴジラ

まぁ…楽しめない訳
ではないのだが…。

「GODZILLA ゴジラ」

本家東宝もお怒りになったローランド・エメリッヒ版。ゴジラというより、原子怪獣現る+エイリアン+ジュラシックパーク…。明らかにゴジラと言う怪獣映画へのリスペクトがなく…、ゴジラと言うキャラクターへのリスペクトや愛も感じられないハリウッド製B級パニック映画でした…。(これだけ他所から引っ張ってきたらそりゃB級の誹りは否めない)

ストーリー的には怪獣映画の王道を進みながら…途中から明らかに壊れていくのが見ていてわかるだけに笑えないこともない…。ポリネシアの核実験により生まれたゴジラがニューヨークへ…、種付けに行く(笑)

まぁ特撮は今見ても楽しい。原子怪獣現るのリメイクならまだ納得するんです。米軍対原子怪獣にオマージュを捧げたシーンも目立ちますからね。海中戦やブルックリン橋とか。エメリッヒはこっちのファンなんでしょう。皿にニューヨークを走る(笑)怪獣。動きの早い怪獣って斬新でしたからね…(笑)故にヘリ部隊との対決は中々。また人が逃げる、怪獣追っかけると言う人との対比がおもしろくなるのですが…それはジュラシックパークなので…パクリマークが貼り付く(笑)

何よりゴジラが神格化されてない故に…エイリアン化するし、所詮巨大なイグアナになってる…。ゴジラは破壊の神であり、災厄、そして人が知恵と言う力を弄んだ故に作り出した悲しき悪魔。それがないんです。確かに原子怪獣だけど…その力は人智の及ぶものなんです。東宝ゴジラは明らかに人外の神。故に…たまごをバリバリうんだりしない…。せめて一個(笑)です。人に近い故に神に近い。

弱いし一人ではらみ捲り…(笑)増えると…その姿はヴェロキラプトル(笑)おーいまたパクってるぞー(笑)一番盛り上がれるとこがジュラシックパークですからね…。

途中から壊れてしまったんです。ゴジラが好きな方かもしれないが…あのプロットのまま作ると何か不安になったかなと。何かぶっこまないと面白くならないかもと言う不安。故に色んな要素が入り駄目作品に…。良いんですよ、途中ドラマパートで頭の足りなそうなヒロインがメインになってつらやなくても…悲鳴要員が必要だし、東宝も似たようなもんだから(笑)

この失敗をきっちり回収したのが現在のモンスター作品達。ゴジラもコングも神格化され神秘のケモノとして描かれているのでスケールが圧倒的に違います。故にハリウッド特撮の粋を極めても無理がないし、何やってもOKになってます。こうなるとギレルモ・デル・トロあたりに監督を頼みたいところです。

無かったことにある意味されてますが、あくまで別作品のリメイクと言う事で考えたら、それなりに楽しめるかな…(笑)

追記…ジャン・レノは良いですが…それフランスのせいにする?と言うアメリカ万歳のエメリッヒらしさが更に駄目さを加速します…。
滝和也

滝和也