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淑女と髭のSPNminacoのレビュー・感想・評価

淑女と髭(1931年製作の映画)
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サイレント時代の小津のロマコメ。腕っ節は強くても、時代の変化には敵わないヒゲ面のバンカラ男子。ならばと自慢のヒゲを剃ってみると…あら、モテモテじゃないですか!
でも時代遅れと言われても、ヒゲの部屋には洋画のポスターがでーんと貼られてたり、リンカーンに憧れてたり、洋装姿も似合ったりして、実は中身はジェントルマン。階級や性格の違う3人の淑女は、ヒゲがあってもなくても一本気で飾らぬ彼に惹かれてしまうのだった。
モガや洋装、洋館(内装が貴族のお城みたいで可笑しい)やホテル、誕生日の女子会やケーキ。映画には新しい時代を迎えた若い人の高揚感がある。そして西洋化の模索期に、これを理想の紳士淑女像として見せているようだった。
当時の日本映画の男優ってメイクのせいもあるかもだけど、背が高くてバタ臭い顔立ちが多い気が。やはりフランスやアメリカのスターを基準にしてるのかな。時にノワールっぽいシーンもあったりして。恋人になる廣子さんが、湯呑みを口にスポスポしてる仕草が面白かった。
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