今でこそリスペクトする巨匠の1人ながら、フェデリコ・フェリーニはその独創的なイメージの狂乱振りが当初苦手だった。
不得手解消のきっかけとなったのは、なんと言ってもこの「道 La Strade」。
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とても上質で、長いものを観た、そんな心地。
これを観ておくと、人生が輝く。そういう類いの作品だ。
たとえば世界文学と呼ばれる作品群があるが、それらに目を通していることによって解除される〈世界の観え…
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「8 1/2」と比べると、間違いなくおもしろく観れる。さすがに70年前のヒューマニズムを全肯定するのは難しいけども、正真正銘のクズであるザンパノを、ジェルソミーナと同じように心底嫌いには…
「人生の循環性」
「道」という言葉は人生の比喩として使われることが多いです。大道芸人でなくても人生の中で、同じことを繰り返しずっとやっているなと感じることはありますよね。ザンパノは胸の筋肉で鎖を切…
小石や空に広がる満天の星の存在が意味のあるものだったと知るザンパノの人としての道を、なんとか肯定したいという希望も残しつつ、ニーノ・ロータ作曲のあの旋律がなんともいえない哀しみを増幅させる。散々人を…
>>続きを読むフェリーニは『8 1/2』とかの変な映画は大好きなんだけど『道』は前観た時はあんまり好きじゃなかった。なんか普通の話だし男女の関係性がメインテーマだし(苦手……)。とはいえやっぱ世間的にはフェリー…
>>続きを読む自己の内実の表象と、物語としての成立。
この2点のバランス、クオリティの加減によって深い感動/充足感が得られるのだと、最近ようやく分かってきた。
本作は70年の時を経ても全く褪せることなく、それらを…