りんな

道のりんなのネタバレレビュー・内容・結末

(1954年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

初めて観ましたが、この時代のイタリア映画は戦後だけあって暗すぎる。
救いのないストーリーだけど、イタリア映画は貧しいけどどうにか生きようとする人達の葛藤が描かれる事が多いですよね。

ザンパノみたいな野蛮人だけど、そんな男から離れるチャンスはいくらでもあったのに離れないジェルソミーナについては、今の現代の共依存の問題にも繋がっていると思う。

嫌な奴ですが、ザンパノは言葉では出さないけど、ちょいちょいジェルソミーナに優しくしている場面もある。
けど、だからって暴力的なのを許していいのか、それはジェルソミーナが選ぶ問題。
一緒にいることで互いに愛着が湧いてしまったんだよね。

途中で出てくる修道院の女性が2年ごとに修道院を変えるのは、その土地からずっと離れられなくなるからだと言っていた。
神と共に生きる自分が、その土地を愛してしまってはいけないとも。
この修道院の女性たちとは違う選択をしてしまったんだよね、ジェルソミーナは。
彼女はザンパノのいた時間は幸せだった。それは確かだし、結末は悲しいけど、それもザンパノやジェルソミーナが選んだこと。
ラストは天国にいるジェルソミーナに伝わると良いんだけど…。

私ならザンパノがいたら逃げ出す選択をするけどね(笑)
時代背景も国の文化も違うけど、割と現代の日本人にも似たような傾向がある気がする。
またしばらくして再視聴したら、解釈の仕方が変化しそうです。
りんな

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