かぼす

道のかぼすのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
4.0
いわゆる底辺という階級なんだろう。
純粋とか無垢とか評されているが、私には無知、無教養、教育や躾の機会が与えられなかった人に見えた。依存相手のザンパノに至ってはジェルソミーナが備えている善性すら持ち合わせていないが、どちらも特別な人物ではないように思う。
だからこれも特別な悲劇ではなく、この時代の世界の端っこではこんなことがよく起こっていたんだろう、なんて思った。

具体的な描写がないが故にジェルソミーナの最期を想像してしまって、ダメージを受けた。真っ黒な夜の海とザンパノの咆哮で追いダメージをくらってしばらく立ち直れない。
かぼす

かぼす