ひろ

道のひろのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
4.0
20世紀を代表する巨匠フェデリコ・フェリーニ監督によって1954年に製作されたイタリア映画

第29回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した

映像の魔術師”と呼ばれたフェデリコ・フェリーニ監督の代表作であり、20世紀最高の映画とも言われる作品。当時の日本でも、口コミで広まり評判を呼んだらしい。

無垢なジェルソミーナが自分の存在意義に悩み、野蛮なサンバノは自由に生きようと振る舞うことで、大切なものを失っていく。この物語はあまりにもせつない。さらに甘美なテーマ曲がせつなさを際立たせている。このテーマ曲は、フィギュアの高橋大輔選手が使ってたから聞いたことあるはず。

野性的で粗暴な男サンバノを演じたアンソニー・クイン。日本でも知られた俳優だが、ゴルゴ13みたいな濃い顔は一度見たら忘れられない。

ジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナ。フェデリコ・フェリーニ監督の妻でもあるジュリエッタ。決して美人ではなく、童顔で、大人にも子供にも見える。愛嬌のある彼女の持つ不思議な魅力は、努力で身に付くタイプのものではない。ジュリエッタ・マシーナの存在が作品に欠かせないものになっている。

モノクロっていうだけじゃなく、撮影技術も今から見たら何もないに等しい時代に、ヒューマニズムを重厚に描いたフェデリコ・フェリーニの映画を観ていると、物語だけじゃなく、映画というもの自体に感動する。これが映画なんだなと思い、自分は映画が好きなんだなと再認識できた。
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