ホノ

道のホノのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.8
二度観ました。
かなり古い映画だし映像のせいもあり、一度目はよくわからなかった。
二度目に急に苦しさや切なさが襲ってきた。
荒い映像でもわかる、主人公の大きな無垢な瞳。ときどき笑う彼女の笑顔は、心からのもののようにも思えたり、なんとかうまく生きていこうと作った笑顔のようでもあり。
現代の社会なら、虐待でありDVであり差別であり…それはまちがいないんだよ…でもそれだけじゃないんだよ…この映画は。
そうだな、一度目はそんなふうに見えたのかも、ひどい話、かわいそう。
でもそれだけじゃなかったの。
この作品のいいたいことや良さは。
ギズだらけのボロボロのルールも安心も道徳もないような世界で、きらりと光る人間の本質のようなもの。

なんだろう…現代ではもう作ることができない名作だと思った。

余計な説明も過度な音楽も美しいグラフィックスもないのに、きゅっと心を掴まれて、記憶に残る不思議な作品です。
ホノ

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