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鞄を持った女のandesのレビュー・感想・評価

鞄を持った女(1961年製作の映画)
3.5
クラウディア・カルディナーレの初々しい魅力を堪能する映画。本来は陽性な美女なのに、苦境に立たされていつも苦労するキャラクターは見事にハマっており、出世作となったのも頷ける。そして、ほぼそれだけの映画でもある。
もちろん、退屈な訳では無い。冒頭から首尾一貫したリズムで展開される男女のあれこれは、それなりに面白い。ジャック・ペランの童貞全開演技も良い。ただ、どれも関係が深化するわけではなく、グズグズの浅はかなドラマが展開される。まぁ、そのグズグズさを楽しむ映画ではあるが、取り立ててのめり込むほどではない。
冒頭から「ビターな結末」とわかる流れで、そのまま進んでいく映画。コロコロと表情の変わるカルディナーレは魅力的。鞄が彼女の「重荷」と読むこともできるが、いかんせん象徴するカットが少ないので何とも言えない。
正直、どう評価するか難しい作品。カルディナーレのフィルモグラフィーでは外せない映画だけど、もっと良い出演作はたくさんある。かと言って駄作でもなく、それなりに観れる映画で、画作りも悪くない。
あと、気になったのはアイーダという役名や、作中映り込む絵画の数々。なんか意味がありそうだが、不勉強なので読み取れなくて無念。
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