【可能性としての戦後史】
深作欣二監督✖️笠原和夫脚本による全く異なったアプローチから描くもう一つの『仁義なき戦い』。県警とヤクザの癒着・軋轢などが濃厚に繰り広げられる、昭和のバイオレンス巨編。
どちらかと言えば本作は深作欣二の映画と言うより脚本を書いた笠原和夫の映画という感じもあるんだが、菅原文太と松方弘樹のネットリした関係が【警察とヤクザ=共にゴキブリ】という図式に転じておりなかなかアイロニカルな作品である。🤔
全編が会話劇という感じなので暴力&SEXシーンは普段の深作作品よりは抑えめ。やはり『仁義なき戦い』同様、戦後間もない頃の「貧困」が背景となっており、深作らしい戦後批評がズバズバ展開されてゆく。
あの大島渚以上に政治的な監督なので、その辛辣な国家観🇯🇵はさすがの一言。暴力教祖、深作欣二らしい男達のカタストロフを綴った極道/アウトローものの秀作。😎