虎舞羅ーコブラー

GONINの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

GONIN(1995年製作の映画)
3.6
石井隆監督が金を奪った男たちと暴力団の熾烈な戦いを描く、バイオレンスアクション。

第三回"🍁秋の夜長はオールナイト映画祭🌙🌠"で同室の先輩と鑑賞。

この手のバイオレンス作品の傑作とも言われている本作。佐藤浩市さんや本木雅弘さんやビートたけしさんなど豪華俳優が脇を固めながら、圧倒的な不条理と狂気が入り交じる凄まじい作品でした。
借金などを抱える男5人が、一発逆転の賭けとして暴力団事務所にある大金を盗み出し、そこから壮絶な運命を辿っていく姿を強烈に描き出します。
個人的に好きだったのはビートたけしさん演じるヒットマン。組織に雇われた彼は、片目にはガーゼの眼帯をしており、グレーのジャケットに身を包み5人を執拗に追いかけます。その姿からは温もりなど感じられず、ただ淡々とターゲットを撃ち抜いていきます。銃口を向けられる視点でのカメラワークになった時に、ここまで恐怖を感じるのはやはりたけしさんの持つオーラや独特のカリスマ性からでしょうか。冷たい目つきで銃口を向ける姿には、思わずゾッと鳥肌が立ってしまいます。
そして本作では佐藤浩市さんと本木雅弘さんのBL的な要素があったことに驚き。そしてそのシーンのセンスもこれまた独特。監督独自のこだわりの様なものを、様々な部分から感じられます。

私個人的には、「大好き!」と刺さるほどではありませんでしたが、この時代にはやはり衝撃的な内容だったのではないでしょうか。妄想などが現実と入り交じる描写など、監督独自のセンスが光っている作品としても評価したいです。
興味のある方は是非!