ロックンロールに没頭してバンド活動を行うも自分本位なパフォーマンスが仇になってバンドをクビになり、同居している友人のガールフレンドから家賃の滞納を咎められたギタリストのデューイ。友人に成りすまして臨時教師として雇われた名門小学校で子供達にロックを教える彼が起こす騒動と生徒たちの変化を描く青春コメディ映画です。
コメディ映画らしいお気楽な展開ですが、生き生きとした登場人物たちが織り成すドラマに思わず笑わされ、最後には健全で癒される余韻に浸れるリチャード・リンクエイター作品らしい青春物語になっていて、ロックの扱いも反骨心や自由を大仰に象徴するような権威主義や懐古主義的な崇め奉り方をするものではない所にも好感が持てます。
その扱いはあくまで作品と観客、主人公を始めとする大人たちと子供たちをつなぐ橋渡しの役割であり、音楽にのめり込んだ少年少女たちが次々と自らのアイディアを出し、それが受け入れられて実践することで他の誰かの心を動かす。それは定型的な教育だけでは得難い成功体験でこの授業を受けたいと思わさせる大きな魅力に溢れています。
