チャトボール

大人は判ってくれないのチャトボールのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.0
映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」の主宰者アンドレ・バザンを支持し、同誌で活躍したフランソワ・トリュフォー監督デビュー作。

1950年代末フランスで起こった映画運動、日本語で新しい波を意味する"ヌーヴェル・ヴァーグ"の代表作の1本。

大手映画会社が潤沢な予算、ベテラン監督、スター俳優、大掛かりなセットでのスタジオ撮影、ハッピーエンドで制作されていたものを否定し、ドキュメンタリー要素、素人俳優、街中でのロケ、戦争や貧困をテーマにし、ハッピーエンドではないものを若手監督が製作するようになる風潮が現れ、イタリアの"ネオレアリズモ"からフランス"ヌーヴェル・ヴァーグ"に伝わり、 アメリカの"アメリカン・ニューシネマ"や大島渚監督作「青春残酷物語」の"松竹ヌーヴェル・ヴァーグ"に影響を与えた。

街中で流れる軽快なBGMが印象的。
今作は、トリュフォー監督自身の自伝的作品でスティーブン・スピルバーグ監督も敬愛する。後にスピルバーグ監督作「未知との遭遇」に今作のトリュフォー監督が出演している。