こんなにエッフェル塔が東京タワーに(時には通天閣にさえ)見える映画は初めて。何処を写してもお洒落に見えるハズの巴里の街が、全くもってケバケバしく煤汚れたダウンタウンに見えるのは前代未聞。
コレがスタジオを飛び出し、リアリズムに目を向けたというヌーヴェルバーグの真骨頂なのか!?
前半は一寸寝落ち。
だって、男の子の集団だったら良くある日常が延々繰り返されているんだもん・・・退屈するじゃん。
男の子はやるよねぇ、こういう事。
家族もお母さんが「いつだって私は現役の女なの。」感で不倫している以外は、まぁ普通の良い家族(?)じゃん・・・
と思って見ていたら突然として、後半全てが瓦解するので、これはホラーなのか!?と驚愕。
ヌーヴェルと謳っていても今となっては古い映画なので、演出や演技が今とは違うせいもあるけれど、キャラクターにリアリティや表情の豊かさがないから伝わってこないんだよなぁ。
人形劇のシーンで観客の(リアルな)子供たちの顔が素晴らしいのだが、それ以上の表情がキャラクターたちから見られないのが残念。
ラストは、どんなに逃げても海が広がっていて、未来は何処にも逃げられないどん詰まりなんだよ、残念!・・・という理解で良いのだろうか。
或いは、海を越える船に乗りたかったら、大人になって金を稼げよ・・・という事か。