このレビューはネタバレを含みます
2022年51作品目。
飛行を繰り返す、少年アントワーヌ。
親の前ではゴミ出しも手伝い、従順な様子だが、家の外に出たら、学校をサボるわ。酒にタバコに歓楽街の徘徊。
しかし、所謂グレている、という表情をしていない。誰か自分を理解してくれる人間を探すような、寂しそうな眼をしている。
自分への愛情や視線の足りない、不倫をしている母親、血の繋がらない父親。
彼らへの怒り、破壊衝動みたいなものもない。どちらかというと、自暴自棄になることでの自傷を繰り返している。
受け入れて欲しいけれども、距離が出来るばかり。離れたくない、とも言わないし言えない。
世界に絶望を感じ、逃げ出そうと走った先にある海。製作年的に全く逆だけど、トゥルーマン・ショーを思い出した。
ちなみに、自伝的作品だという。
なかなか勇気のいる、ヒリヒリした公開だったのでは。