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大人は判ってくれないのSORのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
3.8
ヌーヴェルバーグの代表作の一つと評される、フランソワ・トリュフォー監督の長編1作目にして自伝的作品。

多感な年代に家庭環境が及ぼす影響はとてつもなく大きい。
判ってくれるどころか判ろうとしてくれる大人さえ居ない。
子ども心に共感してやるせないけれど、家族で映画館に行ったシーンは唯一といっていいほど心から幸せそうな場面だった。
反抗しても悪さをしても彼は当然子どもであるし、映画を愛する姿が愛しい。
後に移送車から思い出の場所をみつめて静かに涙を流す彼の表情が切なさを増す。

ラストのアントワーヌの表情はあまりに多くを語る。
最後まで軽やかに駆け抜けるが主題はとても重たい、そんな作品だった。

観るときの年齢によってかなり印象が変わりそう。
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