バナバナ

大人は判ってくれないのバナバナのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.2
フランソワ・トリュフォーの有名どころな第1作目作品。

12歳の小学生、アントワーヌ・ドワネル少年が主人公。
当時のフランスの公立小学校は男女別だった様で、クラスには男子しかいない。
先生が後ろを向いている時など、クラスのほとんどがわんぱくな子供達なのだが、アントワーヌは特に担任から目を付けられている様だ。
教室で担任に立たされた後、家に帰っても母親はアントワーヌを早く夏のキャンプに入れたいだの、父とケンカした時は児童養護施設に入れたいなどと言うので、余りアントワーヌへの愛情を感じない。
父親とは良い距離感の様に思っていたが、アントワーヌは寂しさのあまり、やんちゃが過ぎて学校をさぼったり、どんどん悪さがエスカレートしていくのだった…。

アントワーヌのエピソードは、ほぼフランソワ・トリュフォー自身の幼い頃の実話らしい。
しかし、最後のアレはあかんよな。
父親は母親の再婚相手で血は繋がってなかったとすると、猶更そこに手を出したらあかんやん。
そりゃ父親から三行半を突きつけられてしまったのも、仕方ないのかもしれない(汗)。

一緒に悪さをする友達は、裕福な家庭の子供らしいのだが、この子の親も夫婦関係は荒れている模様。
しかし、同じ悪さをしても要領が良いのか、最悪なところは免れる。
だが、この子はわざわざ自転車で遠くまでアントワーヌに会いに来てくれたりして、本当に良い奴やったんやね。

アントワーヌやこの子が悪さの度が過ぎてしまうのも、やはり家庭環境かな。
“こんな事したらお母さんが悲しむかも”というストッパーが働かないからかも。
お父さんが継父だって気付かないくらいフランクな感じの人だったので(アントワーヌのシーツを買ってないと母親を叱っていたし)、お母さんがちゃんと家庭を築こうと向き合っていたら、家庭が貧しくともアントワーヌがここまで悪さをすることはなかったのではないだろうか。

『突然炎のごとく』でも、カトリーヌは男を繋ぎとめるために子供がほしいと言って、先の夫との間にも子供がいたが(父親は違う様だったが)、あの娘さんは大きくなるにつれ、自分の母親があっちの男のところへ行ったり、こっちの男のところへ行ったりを見てしまっている筈なので、あの子も大丈夫だったのだろうかと心配になった(フィクションだけど)。
自分で子供の世話が出来ないくせに、手段として子供作ろうとする人、マジ勘弁して!と思いました。
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