しんたろう

大人は判ってくれないのしんたろうのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
5.0
親に構って欲しい、愛されたい衝動で、家出をしてしまう気持ちがすごいわかる。というか自分もしてた。
その一瞬は愛してくれるけど、父と仲がいい時と母と仲がいい時が突発的に交互に現れて、でもその魔法みたいなものはすぐに溶けてどっかいってしまう。

家族で映画を見て笑ってる瞬間が、映画を最後まで観たあとにももう一度回想させられる。本当に涙が出る。彼にとって叶うことのない永遠の時間。

女医の先生に打ち明けることで、彼の過去を自分の口から話させて映画全てのからくりが明かされていくのがとっても文学的。

監督の自伝的な作品みたいだけど、これとは違う形ではあれど共感できる部分がたくさんあった。救われる映画に初めて出会ったかも。

あと構図をしっかり捉えているカメラワークとドリーを最大限活用したカメラワークに圧巻。廃れるどころか今の最先端。
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