数十年前の幼い自分が、蘇ってくるではありませんか!
モノクロなのに、舞台はパリなのに…。
観る者の感情をもコントロールしてしまうような、小粋かつリアルな演出に脱帽!その手法は1950年代の作風とは思えず、まさに”ヌーヴェル・ヴァーグ”でした。
そして長編処女作にしてこの完成度とは…。
”普通”とはちょっと違うからと言って、子供の好奇心や突飛な言動を、ねじ伏せてはいけない。自分のインナーチャイルドがそう叫び、且つ大人になった自分に言い聞かせているようでした。
ゴダール作品を2本で挫折した自分にとって、ジャック・ドゥミやヴァルダの左岸派でなければダメなのかと思っていましたが、トリュフォー作品がこんなにも心を打つのだと知り、ちょっとハッピーな気持ちになりました。
って、作品のラストは、とても切ないけれど。