井出

大人は判ってくれないの井出のネタバレレビュー・内容・結末

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

演技がすごい。護送車に乗りながら、街を惜しんで、ネオンに照らされながら、表情変えずにポロポロ泣いているシーンはやばかった。
お母さんが死んだのところは、わたしはロランスへ。
子供を率直に、純粋に描いていた。そこにトリュフォーらしさ、子供っぽさを感じるね。トリュフォーにとって、映画は人生であり、命であり、つまり、全てである。
ただ高速で回転する乗り物は、見てるだけで吐きそうになった。とにかくこの世界に忠実に寄り添って撮っていた。
この心を、伝えたいけど、伝えられない。いくら努力しても人の心を理解できないように、自分の心もいくら頑張ったって伝えられない。分かってもらえない。だから口をつぐむ。表情を失う。それでも、誰でもいいから、何か伝えたい。そのやり場のない感情を、映画にしたんだろう。芸術家ってそういうもんでしょ。無表情で無口な人は、本当は誰よりも、自分の心を表現したいんだよ。
井出

井出