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紅の豚のneroliのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
4.2
■飛べねえ豚はただの豚だ■
 

アニメなので簡単にレビューを書くつもりでしたが、やはり、宮崎駿監督の作品はただのアニメではなく、深い考察が必要になりますね!!
 
この映画に出てくる、ポルコ・ロッソの有名なセリフ。
「飛べねえ豚はただの豚だ。」笑
 
第1次大戦後のイタリア、アドレア海が舞台。
第二次世界大戦前の様子が描かれています。
 


■どうして豚になったのか?■
 

これがどうしても気になったところです〜
 
ポルコ・ロッソは、自分に魔法をかけて豚の姿になった飛行機乗り。
どうして、自分に魔法をかけて豚の姿になったのでしょうか?
 
ポルコは、途中、「戦争で親友を失い、生き残ったのが自分一人であった。」
と述べる部分があります。
 
✔︎「戦争で死んだ奴はいいやつさ。」と述べていたり、
 
✔︎ジーナのお店に、ポルコが人間だった時の写真が飾られているが、
その顔は黒く塗りつぶされています。
 
 
戦争で親友を含む味方全員を失ったポルコは、
「『罪悪感』を伴った抑うつ状態」であると考えます。
 
つまり、「生き残ってごめんなさい。」っていう自責の念にかられ、罰として自分を豚にしたのではないでしょうか?
 
「飛べねえ豚はただの豚だ。」と、抑うつ状態の自分に鞭を打っている様にも思えてきます。
 
宮崎駿監督の「人間を豚にする」発想が面白いと思います。



■ポルコは人間に戻れないのか?■
 

ポルコは2度、人間の姿に一瞬、戻ったシーンがあります。
 
✔︎フィオが寝ている側で銃弾を触っている時。
✔︎カーチスとの戦いで勝利し、フィオに別れのキスをされた時。
 
 
つまり、愛する人の為に戦おう、または勝利した時に豚→人間となっています。
 
 
〜私の職業的な観点からの見解〜
 
「抑うつ状態」から脱し、人を愛し愛され、人生前に進むことができた時に、豚から完全に人間の姿に戻ることができるのかもしれませんね!!
 
まあ、宮崎駿監督の作品は、深すぎる!!!


 
■加藤登紀子「さくらんぼの実る頃」♪
 
 
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