ゆうすけ

紅の豚のゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

紅の豚(1992年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、空賊が子供たちをさらっていくシーンがあまりにもノンビリと撮られていて、犯罪組織が子供を集団誘拐するという重大な人権侵害をこういうトーンで語ることで〈この映画は真面目な話ではなく、大人の童話なんですよ〉という旨が宣言されている。見事なのは、そのリアリティラインが最後まできっちりとコントロールされていることで、素晴らしいと思った。

総じて宮崎駿の好きな場所、好きな飛行機、好きな女といったものが詰め込まれているおもちゃ箱のような映画で、それでいいという腹をくくった作品である。飛行機の墓場、空中でのドッグファイト、工場での多幸感溢れる飛行機制作など、シンプルなプロットの中に眼福なシーンが満載。とにかく自分が作っているものが何なのかに徹頭徹尾自覚的なところに、大変感心した。
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