Kumonohate

雨のアムステルダム Two in the Amsterdam RainのKumonohateのレビュー・感想・評価

3.3
1975年作。舞台はアムステルダム。ヤバい橋も渡る弱小商社の海外駐在社員(萩原健一)が、ふとしたことから再会したワケあり女(岸恵子)とともに、巨大商社による悪巧みに巻き込まれ…というサスペンス。

一応ハードボイルドだが、各人の行動原理がよくわからなかったり、感情のぶつ切れについてゆけなかったり、シーン間の整合性がとれていなかったり、随所に?が点在。一方で、冬のアムステルダムの寒々しいムードはいい感じだし、そこで身を寄せ合うショーケンと岸恵子は妙にエロチック(別に脱いじゃいないが)だし、ショーケンの奔放な演技には魔力がある。

おそらく、余りにもショーケンの演技が奔放すぎて、カットやシーンやシークエンスのつながりがうまく流れなくなってしまったのだろうと思う。

印象的だったのが、悪の黒幕(三國連太郎)に囚われたショーケンが、黒幕の取引相手の男(アラン・キュニー)にレイプされる姿を、岸恵子が見させられるというシーン。猟奇趣味丸出しなのに後に何の尾も引かない。しかもショーケンはその後自分をレイプした男を殺すのだが、居あわせた男のボディーガードはただ見ているだけ。シュールで何が何だかわからない。

そんな映画。
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