ベビーパウダー山崎

夕なぎのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

夕なぎ(1972年製作の映画)
3.0
ロミー・シュナイダーが去って終わるはずの映画に短いながらも美しいエピローグが付け足されているが、エピローグが印象に残ってしまのは映画それ自体が頼りないとも言える。
一人の女と二人の男。はたしてイヴ・モンタンのシュナイダーへの狂気的な振る舞いは愛だったのか、傲慢なまま年を取り心を閉じたモンタンが己を解放できる誰かを求めていただけではないのか、シュナイダーが隣にいなくなったとしても、その相手としてサミー・フレーで十分満足しているように思える。シュナイダーが戻ってきたときのモンタンの顔、あれは嬉しさではなく戸惑いのようにも見えてしまう。愛か友情か、男同志で盛り上がり省かれる女性という図式。そして、イヴ・モンタンはいつでも腹を空かし常になにかを食べていた。