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夕なぎのotomのレビュー・感想・評価

夕なぎ(1972年製作の映画)
5.0
所謂『冒険者たち』的な三角関係で、情熱と冷静の間なロミー・シュナイダーな具合。嫉妬に癇癪にと感情剥き出しでありつつも、どこか大人を感じさせる自由度と妙な寛容性は日本ではあまり見られない光景な気がする。で、男同士最高みたいなのが挿入され、女が愛想を尽かす図とかの流れもとても良い。そんなかんなで、上がったり下がったりの忙しい演技も見事なんだけども、フッと哀愁の表情を入れる仔犬の様なオッサンことイヴ・モンタンがまぁ素晴らしい。パリに始まり、ヴァカンスへとフランス的なやつに、ミシェル・ピッコリのナレーション、衣装サン=ローラン、クラフトワークみたいなのから『ブライヅヘッドふたたび』('81)のテーマみたいなのまでどストライクなフィリップ・サルド劇伴とで、控えめに言って最高。おまけに少女ユペール様で言う事なし。
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