外国映画で誰かわからなくなる君

耳をすませばの外国映画で誰かわからなくなる君のレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
-
2024年5月9日DVDで鑑賞。
 ポータブルDVDを持って聖蹟桜ヶ丘の街を映画と見比べながら歩いたことがあるんですが、この中3少女は猫を追いかけて図書館から地球屋があるロータリーまで30分歩いてました。
 実際にロケ地を歩いた結果判ったのは物理的な高低差が豊かさや立場の上下を表していること。
 金毘羅宮で杉村が雫に告白するシーンでは会話のイニシアチブを握る方が高いところに座って見下ろし、押す方は立ち上がる。
 聖司も縁石に乗ったら雫をリードする。
 物が多く散らかった団地の月島家に対し天沢家は病院、大好きな図書館は駅から坂の上、丘を上がるともっと憧れている物語に出そうなアトリエ。
 ラストは雫を乗せて坂道を登りたいという聖司の自転車を「私だって役に立ちたい」と押す雫。イーブンな関係になって少女が自立します。最後は2人で並んで朝日を見上げる。2人は離れていてもお互いやっていけることを予感させる終わり方です。見事。

2020/11/10
自作コピー:見上げた夏を、私は過ぎ去った