ヨミ

耳をすませばのヨミのネタバレレビュー・内容・結末

耳をすませば(1995年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

中学生青春ストーリー。

天沢家、文化資本がめちゃ強で、多摩地域とはいえ(というかそこで道楽の店をやれるくらいなので相当か)非常におうちが文化的である。
雫も父が図書館員、母が修士課程と完全に教育環境が良い……。
天沢のストーキング、有名なので知っていたが、割と中盤で明かされて驚いた。つーか名前呼びへと移行していく過程がナチュラルかつスピーディでえぐい。中学生ヨォ。

「お前な、本の読みすぎだよ」
「あなたこそたくさん読んでるじゃない」
というセリフ、そんな見事な会話ってあるだろうか。

雫は物語を紡ぐことで意味付けを変えることのできる人物なのだろう。バロンを、追憶のなかから現在の物語へと掬い上げるのが作家としての雫なのだ。だからこそ、『猫の恩返し』における全く異なるバロンが登場する。バロンという、可能性に満ちた存在を物語のなかに組み込んで、新たな生命を与える存在としての作家。木材に形を与え、響きをもたらすバイオリンという新しい意味を掘り出す職人。それは違うようで似た存在なのかもしれない。
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