へちまびと

耳をすませばのへちまびとのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
3.8
説明不要の名作。
夏休みの学校、団地、図書館、急峻な坂の上の地球屋など、舞台設定だけで楽しい。

Youtubeの音楽だけ流す動画に本作のアニメーションを切り抜いたものが連続再生で使われているのをよく目にする。
有名なChillCowのアニメも下敷きは本作の雫が机に向かうところと思われる。

法的にどうかは別として、「あの頃の日本」を想起させる作品として、代表的な事例になっているということだろう。

個人的に印象深いのは「原石のままの方が良い場合もある。磨くとかえってつまらないものになることもある」という老人の話。
「ふーん」程度で割とスルーされてるが、めちゃくちゃ残酷な話をしてる。
これから自身を研摩していこうという雫に「磨くとつまらないものになる」なんてよく言えたなぁ……
実際そのあと雫は才能に不安を抱くような悪夢を見る。ジジイのせいだぞ!

まだキュアブラックに変身する前の本名陽子と、女城主に槍で突かれる前の高橋一生の声の名演を聞ける貴重な記録にもなっている。