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耳をすませばのtjwattのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
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耳をすませば

柊あおい原作。

東京の郊外の夜景がやけに刺さる。団地がいきいきしている。

図書館のバーコード化。カードの方が好き。

コンクリートロード。ベッドタウン開発へのアンチテーゼ。

図書館の奥の裏道を抜けた先。丘の上の住宅街。地球屋。

時計。羊の王女と叶わぬ恋。

故郷ってやっぱりわからない。

私ここ好き。「1人で生きると、何も持たず街を飛び出した。寂しさ押し込めて、強い自分を守っていた。」

これからも杉村とは友だちでいられるだろうか。夕子の気持ちを勝手に伝えてしまい、三角関係になってしまう。居た堪れなく地球屋へ。

君も締め出されたの?
君も可愛くないね。私そっくり。
どうして変わっちゃうんだろうね。
素直で優しい子だったのに。

本を読んでもワクワクしない。
こんな風にうまく行きっこないと心の中で誰かが言う。

ムーンがお前と?全然似てないよ!

「魔法みたい。」よくそんな恥ずかしいことが言えるよな。

歌い終わり、天沢聖司と知り、急に詩的になる雫。イタリアへ渡る夢を聞く。

噂になる2人。筋を通す杉村。茶化すクラスメイト。

イタリアにいけるかもしれない。じいちゃんの知り合いのところで見習いが条件。学校とは話をつける。

聖司の気持ちを聞く。

夕子の家。戸建て住宅。裕福そう。
ロマンチックな妄想。格差を感じる雫。

あいつがやるなら私もやってみる。

まだ磨いていない原石。自分の中の原石を磨くこと。

遠いものは大きく、近いものは小さく見えるもの。

空飛ぶスカートはジブリ映画のシグネチャー。

物語のディテールを詰め出す。

姉は家を出る。母は卒業。現実的に前に進んでいく。小説を書く雫を心配する。家族会議。

自分を試す。それは今は言えない。父の許し。
人と違う生き方はしんどい。最後まで現実的な姉。

洞窟で本物を探す。姉は居なくなった。

荒々しくて率直で、聖司のバイオリンのようだ。よく頑張りましたね。

私書いてみてわかったんです。書きたいだけではダメだって。もっと勉強しなきゃって。怖くて。

バロンは1人。約束は果たせなかった。追憶の中のバロンを希望の物語に変換した雫。

明け方目が覚める。窓の下に聖司。(奇跡)。2人乗り。自転車の動きとコートの揺れ。

お前を乗せて坂道登るって決めたんだ。そんなのやだ。私だって役に立ちたい。坂の上、遠くのものは小さく見える。日の出。

もっと勉強する。高校へもいく。

結婚の約束。「雫大好きだ」

エンドロール。杉村と夕子。



ジブリ再履修。

近藤監督が決して譲りたくないと言った歌詞がセリフにあることを知らなかった。

若い2人が恋をするのはサイドストーリー。思春期の中で、あたりまえから抜け出そうともがく若い女の子の葛藤の物語。

物語を紡ぐ行為はアニメーション映画を作る行為にも重なって感じられる。

初めての作品を完成させた後の食事のシーンや、遠くのものはちゃんと小さく見える朝焼けなど、そこに込められたものを想像せざるを得ない。
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