あお

耳をすませばのあおのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
4.5
大人になってから観るとまたいいですねぇ。沁みるとはこのこと。
心の純度がすこぶる高い雫。その表情や動きの一つ一つが、思春期の感情や言動を丁寧に表現しているから、観る人をそれぞれに刺激するんだろうね…改めて観るとすごいや。
恋愛物のイメージが強かったけど、「将来や自己への悩み」がこんなにも根底にあったっけか。

日常と地続きにある「地球屋」の存在(ファンタジー要素)も巧みだし、優しいけど口うるさい姉の存在も思春期の重要要素として効いている。
雫の妄想シーンも(昔はいまいちハマらなかったけど)広がっていく想像力と、行動に移した勢いが表現されていて、とても良い。

雫がわざわざ車道側に出るシーン、聖司との別れ際にわざわざ照らしてくる車のヘッドライト、ここで?っていうところでムーン(猫)のあくび…細かなことにすべて意味があると思うと興味深い。

もう27年も前の作品なのか。小物で時代は感じても、作品として全く古めかない不思議。青春はいつの時代も変わらないってことか〜(今の中学生が見たら古いのかな)
普通の人間の普通の社会(笑)を舞台にここまでファンタジーになってる点で、唯一無二のジブリ作品ですね。
これのおかげで聖蹟桜ヶ丘のイメージめちゃくちゃ良いもんなぁ笑

不覚にも爺さんバックバンドが演奏に加わるシーンで、涙。

金曜ロードショー、エンドロール全部流してくれたよ!
あお

あお