イチロヲ

美味しい女たちのイチロヲのレビュー・感想・評価

美味しい女たち(1987年製作の映画)
3.0
恋人関係にあったディレクターを不慮の事故で亡くした新人歌手(雨野夕紀)が、遺骨をめぐる縁切り騒動に巻き込まれてしまう。愛欲と金欲に翻弄される人間たちをコミカルに描いている、日活ロマンポルノ。

ヒロインを横恋慕する、亡きディレクターの兄(佐々木勝彦)が重要人物として登場。拝金主義者の不動産会社社長というキャラ付けになっており、バブル期の日本社会を取り上げた、自虐ネタのように感じられる。

主人公に嫉妬する社長秘書(日向明子)、ペテン師の若手女優(南エミ)など、登場人物のキャラが立っているところが好印象。大人のエロ妄想を具象化させる映像手法も、しっかりと笑わせられる。

端的に言うと「世の中には、金では買えないものがある」を語っている作品。バブル崩壊後の未来人目線で観ると、感慨深いものがある。
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