菩薩

ラザレスク氏の最期の菩薩のレビュー・感想・評価

ラザレスク氏の最期(2005年製作の映画)
4.0
凄い…150分本当にたらい回されるだけの陰鬱映画…とは言え未来予想図過ぎて言葉を失くしてしまう…。妻と死別し娘にも見放され親族やご近所ともそこまで良好な関係を築けずネチコヤンと共にひっそり暮らす独居老人、いやもう絶対こうなるし…そもそも童貞だし…。朝からずっと体調不良で救急車を呼ぶがなかなか来ず、来たら来たでちょうど大規模事故の混乱に巻き込まれたらい回され、その間にもどんどん体調は悪化し意識レベルは低下し、最初はちょっと横柄にも思えた救急隊員がまともに会話すら出来なくなるラザレスク氏に代わりなんとか手術まで漕ぎ着けるが…まぁこの医療現場を包み込むストレスと疲労と閉塞感が恐ろしいのなんのって。そもそもラザレスク氏が体悪いってのに酒飲んでんのも悪いだけど、と言うか私は酒飲まないのに肝臓悪いんだけど、医療従事者ってこの「自業自得だろ」って感情と常に向き合わなきゃいけないだろうから本当に大変なんだと思う。救急隊員>ラザレスク氏であったパワーバランスが現場に着くと医師>救急隊員にとって変わる、常に嫌味を言われながらもなんとかラザレスク氏を救おうとする救急隊員、あのあからさまな見下しは日本のドラマなんかでも観た事あるがにしたって酷過ぎる。ゲロを吐き続け尿を垂れ流しついには便すら漏らし汚れ果てていくラザレスク氏、おそらくコロナ禍で多大なる悪影響を受けたであろう医療関係者の方が観たら「分かる」ってなりそうなくらいリアル、ありがとうございます本当に毎日お仕事ご苦労様です…。医は仁術と言えども医師とて人…ちょっと体調悪くなった…。
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